チームのメンバーや部下を育成して成長させることはリーダーやマネージャーの大切な役割です。
チームを離れてみて、ようやく気付くこともあります。
部下に自主性を持たせる育成について、考えてみました。
メンバーの成長への期待
組織やチームをマネジメントしていると、メンバーを育成して、成長させることは気になるテーマです。
リーダーとして、いろいろな手段や施策を試みるものの「もう少し成長して欲しいなぁ」と感じることも多いのではないでしょうか?
先日、元部下と会う機会がありました。(コロナ以前のお話しです)
折角の機会だし、久しぶりだったので仕事の後に食事でもしながら話しをしよう、ということになりました。
私は諸般の事情によって、既にその部署のリーダーを離れてしまっていました。残ったメンバーは、当初に設定した高い目標に向けて懸命に頑張っていました。そんな話しは聞こえていましたが、実際のところを知りたい気持ちもあって彼を食事に誘ったのでした。
そんな彼と話していて気付いたことは、「すごく成長したなぁ。ずいぶん立派になったなぁ。」ということでした。自分としては、彼の成長がとても嬉しくて、その晩は楽しい気分で帰宅しました。
プロジェクトメンバーの時は…
彼が私の部署に異動してきた時、元上司からは、「与えられた仕事はきっちりこなす面は優秀であるが、指示待ちの傾向がある。自主性を持てるといい。」というコメントが添えられていました。
実際に彼と一緒に仕事をしてみると、まさにその通り。何とかもっと自分で考えて自発的に行動する力を身に付けて欲しい、と思いながらも、なかなか変わってくれないのが実感でした。
ですから、久しぶりに会った成長した彼の姿は、驚きであり、感動さえ覚えました。
その後日のことです。彼は仕事の関係があり、私のところへ異動してくる前に所属していた部署のメンバーと打合せをしたそうです。
打合せの後、出席したメンバーと話しをする機会がありました。そのメンバーは私の顔を見るなり開口一番に、「あの彼がすごく変わった。以前の姿からは想像できない、まるで別人のようだった。」と伝えてくれました。同席していたその部署のメンバー全員がびっくり、とても驚いたそうです。
その話しを聞いて驚いたのは私も同様です。先日の1対1の場面では相手が元上司の私だから、という感じもありましたが、部署内のディスカッションでも立派に自立したメンバーとして活躍してくれたことは、とても嬉しかったです。
離れることで自主性が!
私がリーダーとして彼を含めたメンバーを率いていた時は、仕事上の必要もあって、かなり強引な面もあったと思っています。
それが急に私が抜けることになって、彼らはずいぶん戸惑ったのでしょう。そんな話しも聞きました。結果、私が去った後の穴を埋めるために、自分たちの力で進めるしかないと考えたのでしょう。そのための努力を積み重ねてきたことが成長の原動力になったようです。
研修講師としても、会社の上司としても、リーダーとしても、いつかは受講者や部下と離れるタイミングがやってきます。
付きっ切りで寄り添うだけではなく、時には、少し離れてみることも必要ではないでしょうか。距離を置いてみることが、相手を成長に導いた好例ではないかと思います。
特に技術者にありがちな、やらされ型の受け身の人財を、自主性と創造性に溢れるように変化したら、どうでしょう?
そんな人財が、ビジネスの変革と成長の原動力になるはずです。
さらに、技術者がビジネス感覚を身につけたとしたら?
請負型から抜け出したいSI企業・IT企業のビジネスの形も、提案型・ソリューション型に転換できるのではないでしょうか!