少し古い話題ですが、平成という時代を振り返ってみました。
これからは「個」の時代!その方向に進むのは間違いありません。
年末の出来事
もう3年前のことですが、年末にある場所で地下街を歩いていると、テレビ局のクルーらしき人たちが取材の準備をしていました。
何だろう?と思いつつ、たまたま人と会う約束があった私は、近くに立ち止まって相手に連絡するためにスマホを操作していました。
そのうちに、キャスターらしき人が近寄ってきて声をかけてきました。
「すみませ~ん!『あなたにとって平成とは?』という特集を組むので、インタビューさせていただけませんか?」
彼女の手には、A4サイズのリストに、バブル崩壊、天災など、テレビ局側で考えた平成のトピックが並んでいました。
その時は、いきなりのことで何を話せばいいのかも思いつかず、時間も無かったので、丁重にお断りしたのですが、テレビに映るチャンスを逃してしまった!とちょっと後悔。
後になって、そう言われてみれば、平成ってどんな時代だったのだろう、と自分で考えてみる機会になりました。
そして思い至ったのは、
「組織や集団の価値観に従う時代から、個人が中心となる時代へ移っていく準備期間」
そういう過渡期が平成だったのでは、ということです。
時代を振り返って気付いたこと
パソコン、インターネット、携帯電話/スマホ、個人としてのキャリアプラン、・・・。全て昭和の時代には考えられなかったことです。
「パソコンが一人一台になり、全てがネットにつながる」、「電話番号は個人単位になり、目的の相手に直接電話をかけられる」。
そんな夢、時にはただの願望や妄想だと思われていたことが、平成の時代には徐々に実現されてきました。
単に技術進化ということではなく、「個」を中心とする時代へ、それに向けたパラダイムの変化に技術が追従してきたのだと感じます。
これだけの大きなパラダイムシフトが現実になるには、ある程度の時間が必要です。この時間的余裕が、平成という時代だったように思います。
この変化の流れにうまくついて来られた人や企業が、これからの時代の主役になれるのではないでしょうか?
「個」が中心となる時代へ
来るべき次の時代は、明らかに「個の時代」になります。組織に個人が属するのではなく、それぞれが違う価値観や判断基準を持った多様な個人が集まって集団や組織を形成する、ダイバーシティが当たり前の社会がやってきます。
今、デジタルの世界では、パーソナル・カスタマイゼーションということが言われ始めています。
現在のデジタル技術は、ある情報を、その情報を必要としている人、その情報に興味を持っている人にピンポイントで届けるため(パーソナライゼーション)に使われています。
次のステップでは、情報はもちろん、商品やサービスを個人個人に適したように加工して形を変えて届けられるようになります。それがパーソナル・カスタマイゼーションです。
これは受け取る側の個人としては嬉しいですが、商品やサービスを提供する側は大変です。一つの商品/サービスを多くの人に届けるという今までのモデルは成立しなくなるのですから。
一つ一つの商品/サービスを相手に合うように変更(カスタマイズ)する仕組み、マス・カスタマイゼーションができる仕組みに変えなくてはなりません。
研修講師も同じではないでしょうか?
コーチやカウンセラー、コンサルタントであればクライアントとの1対1の関係の中で、相手に合わせていくことが基本でしょう。
しかし、1対多の場面で研修を行う講師は、受講者の一人一人にカスタマイズしたコンテンツを届けるのは難しいことなのかもしれません。受講者に寄り添うことの本質は、ここにありそうです。
「個の時代」に合わせて個人に寄り添う、それぞれの想いに応えられる講師を目指していきたいと思います!